ゼノブレイド3をクリアしたら気になるのはDLCの追加ストーリーではないでしょうか。
内容はともかく、そのストーリーが本編の前日談なのか後日談なのかは未だ明らかになっていません。
なのでこの謎について考察してみました。ネタバレを含みますので未プレイの方はブラウザバッグ推奨です。
長めの考察をしたため、読んでいて頭がごちゃごちゃになった方は、記事の最後の方で高橋監督がDLCについて発言したメッセージを紹介したのでそれだけ確認してもらってかまいません。
注意点としては「前日談or後日談じゃないと絶対にいやだ!」とかそういった意味合いでこの記事を書いている訳ではなくて、開発者の言葉などを元に考察をしてこの記事を作った次第です。
なので、結果的にDLCの追加ストーリーが前日談であろうと後日談であろうと、そこ自体に文句を言うつもりは一切ありませんし、むしろ楽しむつもりです!
それではどうぞ。
結論:追加ストーリーは後日談
結論から言ってしまうと、追加ストーリーは後日談だと考察しました。
理由はいくつかあるのですが、まずは開発者や本編で挙げられた4つのキーワードやラストシーンの描写の2つから考察していこうと思います。
ちなみに私が後日談だと考えた根拠は合計で3つあります。
- 4つのキーワード(1番重要:3本の剣)
- ラストシーン
- 高橋監督のメッセージ
根拠①4つのキーワード
ゼノブレイド3 追加ストーリーが後日談だと考える4つのキーワード
- 楽しそうな内容
- 物量
- 進む
- 3本の剣
楽しそうな内容
参考文献:開発者に訊きました「ゼノブレイド3」Chapter3(一部抜粋)
横田「追加のエキスパンション・パスもご用意しています。そのエキスパンション・パスの最後には、新たなストーリーも追加するんですけど、『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ』のようなボリュームで考えています。」
小島「僕はエキスパンション・パスの開発に参加できてはいないんですけど、横から見ていてホントに楽しそうな内容なので、ちょっと悔しいんですよ(笑)。」
まずはこちらのセリフ。注目すべきはエキスパンションパスの内容が楽しそうであるということです。
これが追加ストーリーを指しているのか、それとも新たなヒーロー・クエストを指しているのかは未だ不明ですが、横田さんが新たなストーリーについて一部解説した後で、小島さんが楽しそうと言ったので私はストーリーも含めて楽しい内容だと解釈しました。
つまり、追加ストーリーは楽しいものである。まずこれを仮定しておきましょう。
物量
参考文献:開発者に訊きました「ゼノブレイド3」Chapter3(一部抜粋)
高橋「ひとによって「物量が多い」の感覚は違うと思うんですけど、僕は結局、物量が好きな人間で。」
高橋「RPGはある程度の物量が必要なジャンルで、プレイに必要とされている最低限の物量というものがあります。そこは最初に担保しつつ、それから「あれもやりたい」「これもやりたい」を乗せていった結果、こういう感じになるのかなあ、と。」
高橋監督はどうも「物量」がお好きなようです。
ところでこのインタビューにて「物量」が語られていた要素は、フィールドやキャラが主になっており、ストーリーについてはほとんど語られていませんでした。
では実際にゼノブレ3のエンディングまでの話数と、初代・2のエンディングまでの話数を比較してストーリーの物量を見てみましょう。
ゼノブレ1 | 17章 |
---|---|
ゼノブレ2 | 10話 |
ゼノブレ3 | 7話 |
あれ……こう見ると短いような?
ゼノブレ1のデータは見つからなかったので省きますが、メインストーリーだけを進めた上での2のクリア時間は60時間。対して3のクリア時間は45時間です。ストーリーの物量が少しだけ少ないような気がするのは私だけでしょうか。
それにゼノブレ3はナンバリングではないゼノブレクロスを含めても、初めて話数が一桁で終わるゼノブレイドなんです。ボリューミーなゼノブレイドとしてはとても異例なことに感じませんか?私もクリアした時の話数を見た時は「え、これで本当に終わりなんだ」と少し気が抜けたというか、驚いた記憶があります。
さて、ここで1つの仮説が立てることができるわけです。高橋監督は「命」をテーマにした本作をビターなエンディングで締めたかった。でもファンの多くは初代や2のようなハッピーエンドを求めていることも知っていた。
ではこの2つのエンディングをどうにか形にするために考え出したのが、あえてゼノブレ3を7話で終わらせ、追加ストーリーで8話、9話、10話を描きハッピーエンドにする手法。こうすればファンの求めていた1つの形も魅せれるしストーリーの物量も補える。
7話で終わるのに「最終話」の表記がないのはそんな理由があるから。
どうでしょうか…?笑
私自身があのエンディングの後を見たいと願う1人であるので、どうしてもそういう一方的な見方で考察してしまうのが難ではあるのですが、物量が好きと言っておきながら、そして集大成なのに本作に限って七話で終わる構成にはどうしても違和感を覚えます。まだまだ作中の謎も残されていますし。
進む
本編のエンディングにてノアは最後にこういうことを言います。
「進め」
約3ヶ月の間にたくさんのことを経験してきたノアだからこそ、この発言には納得感がありますし、悲しくとも希望が見えるエンディングと捉えることができますよね。
また、世界の融合が解けて2つに分かれた時、ノアはミオに対して「会いに行くよ、必ず」ときっぱり言っているんです。この描写、妙にこだわっていて諦めの様子も感じらません。
そもそも主人公たちは作中で何度も何度も「俺たちは進むしかない」と発言しており、この発言に応じて主要キャラの6人が1人も欠けることなく、メビウスを倒しています。
つまりゼノブレ3は「進む」という選択を選んだ主人公たちの「結果」をちゃんと描き切っているわけです。なのにエンディングで語った「進む」という選択の「結果」が描かれないのは不自然に思います。
3本の剣
3つのキーワードまで話してきましたが、正直な話をするとこの三本の剣が追加ストーリーに関わるかどうかで私の考察は大きく覆ります。
なぜなら、剣が追加ストーリーに関わるのならば時系列は後日談のみしかありえないからです。逆にいうと関わらないのなら前日談である可能性も大いにあります。
では私の見解を言うと、少なくともこの三本の剣は「追加クエストによって歴代の主人公が巡り合う」という意味合いではないと思います。
ゼノブレ2のDLCもそうでしたが、メインビジュアルは追加ストーリーに関するものだと考えるのが相応しく、今回の三本の剣については1世界と2世界で再び時間が流れ出した後に起こることを示唆しているのではないかと考えています。
なのでここでは一旦、この三本の剣が追加ストーリーに関わるものだと仮定した上で後日談である理由について話していきます。少し小難しい話になるので、飛ばしてもらっても構いません。
さて、この三本の剣が同じ世界で交わるには条件が2つあって、1つはノアが自由に自分のブレイドを使えること、もしくは自分の手で再びブレイドを使える必要があること、もう1つはレックスやシュルクが剣を使える時系列である必要があります。
それぞれ考えてみると、まずレックスやシュルクは世界の融合前、そして融合が解除されて時間が再び動き出したそれぞれの世界では普通に生きていると思われるので、融合前だろうと融合解除後だろうと追加ストーリーに出ることは可能です。
(実はその時、生きていた根拠を提示するのはかなり難しいことなのですが、初めてのウロボロスがシュルクらしき人物であったことから融合直後までは生きていたと推測しています。レックスに関してはニアが最後に「帰るよ」と言っていたので生きていたと推測)
対して、ノアが自由にブレイドを出せる時系列は3本編のみしかなく、世界が融合する前のノアについては自分のブレイドが出せないはずなので追加ストーリーに出ることは不可能です。
ただし3世界で自分の剣を出せるようになった後、再び1世界で過ごすことになったノアならブレイドが出せる(取り戻す)かもしれないので追加ストーリーに出る可能性は0%ではないと言えます。
取り戻すというのはラストシーンでノアがブレイドを海に投げ出したことや笛の音に笑顔を見せていた描写から予想。あの笛の描写は本来存在しないはずの3世界の出来事が1世界でも一部受け継がれていることを示唆していると思われ、海に投げたブレイドが1世界に移動した可能性を作り出しています。
本編のノアではなく、Nになる前のノアの剣を指している可能性もありますが、あれだけミスリードを疑われていたニアやメリアが本物であったことを考慮するとやはりNではない、本物のノアの剣であることには間違いなさそうです。
それによく見てみるとノアの剣にはウロボロスの紋章が刻まれており、Nになる前のノアがウロボロスになっていた描写は本編では確認されていません。
よって、条件を重ねた結果から見ると世界の融合が解除された後日談のみでなければ、三本の剣は交わることがないというわけです。
根拠②ラストシーンをよく見てみると…
エンドロールの後に流れるラストシーン。
多くの方は笛の音に微笑むノアが印象に残っていると思うのですが、よく見てみると隠されたとんでもない事実も描いています。
なんとノアが笛の音に気づいて白い鳥が一斉に羽ばたいていった後、ノアが消えているんです!
私も最初は「そう見えるだけなのではないか」と思っていたのですが、よ〜く見ると消えているのが確認できます。
こちらの動画にてラストシーンを見ることができるので、皆さんもぜひ確認してみてください。(秒数指定をしてあるためラストシーンから始まります)
まとめるとやはり「後日談」である
追加ストーリーは「楽しそうな内容」であり「物量」を補う役目を担当していて「進む」ことを選んだノアのその後の世界に「三本の剣」をもたらした。
そして、ラストシーンは2つの意味深な事実を描いている。
(少しこじつけ感は否めませんが)よって後日談であると考えました。
前日談だった場合はどうなる?
では、あえて前日談だと仮定して考えてみましょう。
おそらく前日談の内容は1と2の世界が融合する直前か直後のお話。それぞれ平和に暮らしていた主人公たち含め、物語で出てきた「とあるノポン」がいったい誰なのか、そして旅をしていたニアやメリアの“女王になった理由“などが明らかになると思います。
もしくはシティーで出てきた始祖のウロボロスや過去にいたメビウスについての掘り下げです。
では、追加ストーリーが前日談だとして主人公になる可能性が1番高いと思われる、始祖のウロボロス(六氏族)の場合はどうでしょうか。
あまり掘り下げられていないこともあって前日談としては都合の良い主人公にはなります。
しかし、過去にいた六氏族を題材とするならば後々紹介する高橋監督の言葉に矛盾が生じますし、あの3本の剣を掲げたメインビジュアルの意味はなんなのか不思議に思いませんか?
少なくとも、3本の剣と六氏族を過去において関わりのあるものとして描くには無理があると私は思います。
では次に初代や2のキャラクターが主人公であった場合はどうでしょうか。
メリアは一旦置いておいて、融合する直前ならニアは寿命という概念がないハナやビャッコと共にいるはずです(レックスはその時点で死亡しているかは不明なためここではいないものとする)。
2をやってきた方なら既存キャラが出る展開はエモいのですが、3から始めたプレイヤーはこういう前作プレイありきの前日談があった場合、どう思うでしょうか。
「いや、このロボットなんだよ」、「ビャッコはブレイド…?武器がブレイドじゃないの?」などと2の世界をある程度は知らないと、話が成立しないと思うんですよね。
そのために2の世界について物語内で解説するのなら、もうそれはゼノブレ2の追加コンテンツと言って間違いはなくて、3である意味がなくなってしまいます。
それにオリジンを作ったとされるトラを出すのならば、3のキャラが「あのオリジンってトラさんが作ったんですか?」って聞いてトラが自慢気そうに「そうだも〜トラの自信作なんだも!(ドヤ)」なんて言って説明してくれた方が新規勢にもファンにも優しいと思いませんか?
メリアがいる1の世界についてですが、融合する直前の時期列が不明なためシュルクが生きているかは不明。ですが初めてウロボロスになったのはシュルクらしき人物なのが作中で明らかになっているので、おそらくその時点では生きていたと仮定する。となると、やはり初代をやっている前提のコンテンツになりかねない。
結局のところ、何が言いたいのかというと、前日談を楽しむにはプレイヤーが2つの世界の主要キャラをある程度知っておかなければならない必要がある可能性があるというワケです。
そもそも、前日談であったイーラ(ゼノブレ2のDLC)があそこまで好評だったのは、知られざるシンの過去やヒカリの誕生を描いたからこそのことであって、
ゼノブレ2のように壮大な過去があって魅力的だと感じられる敵があまり登場しない本作で前日談をやったとして、作り手の高橋監督がそれで満足するのか少々疑問です。
根拠③高橋監督からのメッセージ
ここまでは開発者や物語の発言から私なりの見解を出して、それをもとに話をしてきました。よって「説得力がない」と思う方もいるかと思います。
なので、ラストはゼノブレイドの生みの親である高橋監督が語ったDLCのオリジナルストーリーについての発言を一部抜粋し紹介します。
ソース:ゼノブレイド3のDL版を買った方に配信されたメールに記載されていた高橋監督からのメッセージ
高橋哲也「今作と、そしてエキスパンション・パスの追加ストーリーを遊んでいただいたお客様には、その先にあるゼノブレイドの未来の姿を想像していただけるのではないかと思います。」
高橋監督が言うには、このゼノブレイド3で事実上の区切りをつけるそうで、クラウスの実験によって始まったゼノブレイドが終了するとのことだそうです。ゼノブレシリーズが終わらなくて良かった〜
そして注目すべきは本作と追加ストーリーを遊べばゼノブレイドの未来の姿が想像できるという点。
未来の姿を想像できると言っているのに、追加ストーリーが前日談であったとしたらこの発言に矛盾が生じることが分かりますか。冷静に考えれば、過去編を遊んで想像できる世界は本編の世界だけですよね。
例えば、2の過去編であるイーラ編を遊んだとしても3の世界は想像できませんが、2をやれば3の世界はどことなく想像できます。レックスがシン戦の時に言い放った「誰か」というのはまさにノアのことですし。まぁそれと同じです。
ゼノブレイドの未来の姿を想像するには、やはり追加ストーリーも未来にしないと分かりえない。それに「本作や追加ストーリー」ではなく「本作と追加ストーリー」というセットで発言していることからも後日談と考えるにふさわしい根拠だと言えると思います。
まとめ
- 後日談の可能性が高い
- 前日談にしてしまうと新規層の頭が「?」になる可能性がある。あったとしても前日談+後日談か?
- 高橋監督は「追加ストーリーをプレイすればゼノブレイドの未来の姿が想像できる」と発言している
久々にこんなにも長い考察記事を作ってしまいました…笑
ゼノブレ3の1stPVの時に公開した考察記事でさえ、だいたい3000文字くらいが限界だったんですけどね。
できる限りは噛み砕いて脳内にあった考えを書き出せたと思いますが、読みにくかったり分かりにくかったら同じゼノブレファンとして本当に申し訳ないです!
コメント欄でこれはどういうこと?なんてふうに書いていただいたら頑張って返信しますので、しっかりとネットリテラシーを持った上でお書きくださいm(_ _)m
ここまで見ていただきありがとうございました。参考になれば幸いです。