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【ペルソナ3 リロード/レビュー】2024年最高のRPG。あの名作が現代に蘇る。

今回は2024年2月発売の「ペルソナ3 リロード」をレビューしていきます。

クリア時間はなんと80時間。ですが「そんなにやってた??」と良い意味で思うほど、面白かったです。

現時点では2024年最高のRPGだと思う。原作の要素はしっかり残しつつ、今の時代にそぐわないものには変化を加えた神リメイクでした。

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ペルソナ3 リロード


開発元 アトラス
対応ハード PS4/5、XBOXシリーズ、PC

2024年2月に発売された本作は、2006年に発売された「ペルソナ3」を現代向けへと作り変えたリメイク作品。

深夜0時になると現れる「影時間」「シャドウ」の謎を解き明かすため、主人公達はごく普通の高校生としての学生生活を送りつつ、影時間ではペルソナ使いとして壮大な冒険をしていくRPGです。

グラフィックやUI、キャラクターのデザインなどビジュアル面は一新され、当時不評だったゲームシステムには変更が加えられました。

もちろん全てを変えているわけではなく、肝心のストーリーは根本は変えずに補完のみ行う、まさに原作プレイヤーが求めていたリメイクという印象です。

原作のストーリーを際立てる高クオリティな演出

まず本作をプレイしてみて1番に思ったのは「演出」の何もかもが凝っているということなんですよ。

弱点をついた時のカットシー
緊迫感迫るムービーシーン
ペルソナシリーズ伝統のオシャレなUIデザイン

次世代機向けに開発されたタイトルということもあり、今まで以上に表現力の高い演出がされています。

だからプレイするたびにワクワクするんですよね。とても興奮するし、次はどんなものが見れるのだろうともっとゲームをやりたくなる。

キャラクターの表情もより豊かになったので物語へ更に引き込まれるような気もしました。

アトラスのペルソナチームが持つこの表現力はどのゲーム会社も見習うべきだとひたむきに思います。

派手になった戦闘と少し味気ないタルタロス

戦闘に関してはペルソナ3らしいスタイリッシュな戦闘であるものの、ペルソナ5からの要素を取り入れ、派手さが増したコマンドバトルの究極体へと仕上がっています。

コマンド形式のバトルというのは単調がゆえにダルくなったりしますが、正直やっていて全く飽きなかった。爽快感が高くて、まるでアクションバトルをしているかのような感覚さえありました。

原作からの大きな変更点といえば、必殺技である「テウルギア」だと思います。

特定の行動をすることで使えるテウルギアは、演出が豪華で魅力的。

それに加えて、属性を無視して敵に特大ダメージを与えられるので、今までは物理属性でちまちまとダメージを与えて倒すしかなかった中ボスがとても楽に倒すことができるようになったんです!

これにより、戦闘においてのストレスはほとんどなくなりました。もちろん問答無用でテウルギアが使えるわけでもないのでしっかりと考えて使う必要がありますが、その戦略を含めて楽しかったです。

本作の総攻撃の演出はかなりイイ

ただ、ダンジョンである「タルタロス」に関しては少し味気のないものだと感じたのが正直な感想。

本作ではストーリーに沿って、影時間に現れるタルタロスという塔を登るのですが、基本的に探索要素はちょっとある程度でひたすらに登る動作を繰り返すだけです。

なので、ストーリー的にもまだ熱が入ってこない中盤あたりだと「うーん……まだあるのこれ?」と思ってしまったのも事実。

登っていくと多少は風景が変わるのですが、1つの風景で前半と後半で分けられており、最終的にタルタロス内の風景が変わる周期は2ヶ月で一回程度となっています。

確かにストーリー上、タルタロスをダンジョンに持ってこなければならないのは仕方がないですが、風景が変わる周期に関しては「前半・後半」で分ける必要がなく、新たな風景を作ってほしかったです。風景の変化って意外とモチベに繋がったりしますからね。

アレンジされた名曲とその名曲を超えた新たな戦闘曲

エンディング曲である「キミの記憶」や戦闘曲「Mass Destruction」などの名曲も本作ではリメイクされました。

男性ボーカルはLotus Juiceさんが引き続き担当し、女性ボーカルは川村ゆみさんから高橋あず美さんへとチェンジ。女性ボーカルのみ変更ということで、やはりリメイクされた名曲は川村ゆみさんにもう一度歌って欲しかったなというのはあります。

ですが、リロードで追加された新戦闘BGM「It's Going Down Now」があまりにも良すぎる!!

ゲームの音楽は「ゼノブレイド2」が1番いいと思っているのですが、戦闘曲だけでいえば圧倒的にこちらの方が好きです。「Mass Destruction」の馴染みあるフレーズを取り入れ、完全にアガる曲として印象に残っています。

ちなみにオープニング曲の「Full Moon Full Life」は特にサビのベースが気持ちいい神曲!新たに追加された楽曲は本当にいい曲ばかりです!

新たに追加されたリンクエピソードと学生生活

原作にはなかったリングエピソード

本作では、原作ではなかった男性パーティメンバーとの交流があり、リンクエピソードとしてシナリオの補完ができるほか、仲間や主人公のステータスも上げることができます。

原作ではよく嫌われていた「伊織純平」もこのリンクエピソードのおかげで、ただの嫌なやつではなくて、良くも悪くも高校生らしい人物であると分かるはずです。

地味に良かったのは仲間のステータスアップが実用的だということ。必殺技の強化や属性攻撃の強化など、むしろ戦闘でもっと活躍して欲しいからリンクエピソードを進めてましたね。

また、ペルソナシリーズお馴染みのコミュもあります。

作品のテーマに合わせてコミュの内容が他と比べると暗いものが多く、特にペルソナ5を遊んだ人だと「こんなことになったりするの!?」と驚くかもしれません。

本作のコミュはそれぞれの人物の成長物語でもあるので本筋のストーリーと一緒に進めることをオススメします。ちなみに本作のコミュは選択肢をミスっても時間を巻き戻せる「ロールバック」というものが使えるので精神的な負担もなくかなり良いです!

掴みは弱いが魅力あるストーリー

冒頭でも言った通り、本作のストーリーは原作である「ペルソナ3」と大筋は変わっておらず、補完を取り入れたものです。

物語のテーマは「死の存在」であり、ペルソナ4や5と比べると掲げられたテーマが重く、それ相応の展開が繰り広げられることとなります。

「生きる」とはなんなのか。生きる意味とは?死ぬ意味とは?

物語が進むにつれて、自分たちがゲーム内でしてきたことはこんな問いかけに繋がるものなのだとプレイヤーは知ることになり、ゲームを通して「どうして自分たちは生きるのか」ということを再確認させてくれる物語です。

主人公達が各々で自分に与えられた「課題」に向き合い、衝突する。そこで仲間の間で嫉妬されたり、一線を置かれたり、仲間なのに秘密ごとがあったりなど絶妙な人間関係が事細かく描かれます。

原作では仲間であるはずなのにパーティメンバーのギスギス感が強すぎて敬遠されていた部分もありましたが、本作ではキャラクターの表情が更に豊かになったことで、このギスギス感というのはだいぶ軽減されています。

とはいえ、ペルソナ4や5と比べると最初から仲の良いメンバー達と言うわけでもなく、それぞれが信念・目標を持っているので、仲間の関係性というのは非常に不安定。それが一体どうなるのかも本作の見どころですね。

是非とも最後までプレイしていただきたい。特に最後の演出は本当に大好きです。

惜しいところ

惜しいところとして何をあげようかと思うほど目立つ欠点がない本作ですが、プレイを思い返すと少し引っかかるところがあったので紹介します。

オートセーブはなくタルタロスでのセーブも億劫

実は「ペルソナ5 ザ ロイヤル」のレビューでも言及したことなのですが、いい加減ペルソナシリーズにも「オートセーブの実装」を検討してもらいたいです。

100歩譲って、タルタロスで行うセーブがもっと快適だったら実装しなくてもいいと思います。ですが、タルタロスの中ボス戦の前にいちいち装置で1階まで戻ってセーブを行うのが億劫で仕方ない。

別にセーブせずに突撃すればいいじゃんと思う人もいるでしょう。ですが、闇雲に突撃してしまうと、最悪の場合ゲームオーバーとなってしまい、せっかく登ったタルタロスを再度登る羽目になるのです。だからセーブをしたいのだけどそれが億劫であると。

せめて装置の前でセーブできるようにしてほしかったです。もしくは実質的なオートセーブである「ロールバック」がタルタロスでも使えたらよかった。

総評|ペルソナ3 リロードは完璧なリメイク作であって最高のRPGである

2024年の9月には後日談となるアイギス編が登場

久々にこんなにも熱中するRPGをプレイしました。

やっていて本当に楽しかったし、ワクワクもしたし、感動もした。少なくとも今年に出るRPGの中で上位に来るのは間違いないです。

また、かつての名作を18年越しにこのような素晴らしい形でリメイクしてくれたアトラスは本当に凄い会社だと実感しました。

遊びやすくかつ熱中しやすくなった本作はゲーマーでなくとも是非プレイしてみてほしいと思います。

ここまで見ていただきありがとうございました。参考になれば幸いです。