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アサシンクリードユニティ【レビュー】賛否両論?全クリしたので感想を語る

去年のウィンターセールにて、格安の500円になっていたので購入したのですが、別のゲームに時間を取られて全クリまで相当な時間を要してしまいました。

ようやくこの「アサシンクリードユニティ(以下略:アサクリユニティ)」をクリアすることができましたので、感想を語っていこうと思います。

それではどうぞ。

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アサシンクリードユニティ


開発元 UBI SOFT
発売年 2014年
対応プラットフォーム PS4,XBOX ONE,PC

2014年に発売された本作は発売当時に限っては、ファンでも擁護できない凄まじいバグの多さで炎上してUBI SOFTの株価を大暴落させた、とんでもないソフトでした。

のちに開発元であるUBI SOFTはこの事実を重く受け止め、バグの修正および有料であったはずのDLCを無料で配布するということになり、お得感を上げつつ普通に遊べるゲームになったと言えるでしょう。

というわけで今回はバグ修正後の作品として本作をレビューしていこうと思います。

舞台はフランス革命時のパリ。主人公アルノは「とある事件」に巻き込まれ、恋人であるはずのエリスと敵味方に分かれ、アサシン教団に入団し、アサシンらしく事件を解決へ導いていく。そんな物語が展開されます。

DLC込みでストーリーだけ追うなら、だいたいクリア時間として30時間が目安です。やり込み要素もやるのだったら100時間ぐらいでしょうか。

素晴らしいところ

パリの街並みが本当に美しい

まず本作で1番の魅力と言っても過言ではないのは、フランス革命が起こっていたパリの街並みです。

序盤で訪れる“ヴェルサイユ(宮殿)“の活気あふれた街並みも、言葉では表せれないほど素晴らしいものなのですが、本命であるパリのマップは「ノートルダム大聖堂」などの歴史的な建物があり、思わず見惚れてしまいました。

マップの大きさは広くはないものの(それでも十分な大きさだが)、建物の中に入れたり、誰も見ないようなところまで細かく作り込まれていて製作者の強いこだわりを感じると思います。

ノートルダム大聖堂の内部。半年かけてモデリングしたという。
時間帯の幅は広い。昼間とは違った雰囲気を味わえる。

クオリティーとしては、歴代アサクリシリーズの中でも群を抜いて高く、「観光ゲー」と言われる由縁も頷けますね。

また建造物だけでなく、時代がフランス革命時ということで人々の混み具合は“雰囲気作り”の工夫を感じられました。

人がオブジェクトの1つとして用意されているわけではなく、あらゆるところで一人一人が違った行動をするのでリアリティーに不満を持つ事もなかったと思います。

フランス革命時代なので、民衆も戦うことがある

ちなみに私は本作をPC版でプレイしたのですが、フルHDの最高設定でやるとあまりの美しさや当時の活気あふれた街並みに思わずため息が出てしまいました。

ですので皆さんには是非ともPC版もしくはPS5でやってみてほしいです。PS4でもできますが、正直なところ感動が全く違うと思います。

ステルスやパルクールがスタイリッシュ

本作は全てのモーションがスタイリッシュに作り込まれています。いや、スタイリッシュというよりは「お洒落」という言葉の方が似合うかな。

ユニティ以前、もしくは以後のアサクリにはない「重くずっしりしていて人間味のあるモーション」が、パルクールの楽しさやステルスの緊張感をより醸し出していて、プレイしていてとても没入できました。

特にパルクールは是非ともHUDを消してやってみてください。作り込まれたパリを舞台に、無駄なものを省いて、淡々とパルクールをするだけでも本当に気持ちいいです。

戦闘中のモーションに関しても、申し分なし。新要素である“受け流し“はまさに紳士が行うであろう美しい身のこなしを拝むことができて、従来のアサクリとは違った感覚で戦闘を楽しめました。

新世代アサクリにはない「最高にアサクリしてる感」

システムや時代背景を一新した「アサクリオリジンズ」を筆頭に発売されている、いわゆる新世代アサクリにはまるでない「最高にアサクリ(アサシン)してる感」を本作では味わえたと思います。

例えば、新世代アサクリだとレベルが相手より少し低いだけでステルス攻撃が通用しないことがほとんどですが、本作にはレベルという概念は存在しないのでどれだけ強い兵士でもステルス攻撃ならば倒すことが可能です。

また、アサクリ4のような無双ゲームというわけでもなく、“アサシン“の名にふさわしい暗殺ゲームに仕上がっており、従来の通り兵士たちと真っ向勝負を挑むと全くと言っていいほど勝てません。

というのも兵士たちが持つ銃は強力で、序盤なら2発でダウンしてしまうでしょうし、戦闘の動き自体はもっさりしているので楽に勝つこともできないと思います。

つまり、プレイヤーは“暗殺“を念頭においた状態で、マップ内で用意されたいくつもの選択肢の中から、暗殺の方法や殺害するタイミングを考えて自分で行動する必要があるというわけです。

私としては、難易度が高くなって少しハードルが高くなったような気もしますが、暗殺ゲームとして見るならば「素晴らしい出来」になっていると感じました。

面白くないところ

主人公が弱いのではなく敵の武器が強すぎる

「素晴らしいところ」でも言いましたが、本作はあくまでもステルス重視のゲームデザインとなっているため

基本的に通常の戦闘はシリーズを通しても、非常に難易度が高く、死にゲーとまでは言いませんが少なくとも「簡単な戦闘」とは言えないと思います。

この「戦闘」についてネットでのレビューを見てみると「主人公が弱くて敵が強い」「悪い操作性なのに戦闘を難しくしている(操作性については後ほど記述)」などの意見があり、私としてもその意見はおおよそ賛成です。

確かに、操作性が悪く戦闘が億劫に感じる時もありましたし、4人ぐらいの敵に囲まれるともう手のつけようがないんですよね。

ただし、しっかりとスキルを上げて装備を整えれば勝てる相手には勝てますし、雑魚敵ならばサクサク倒せるので、主人公が弱いというわけではないと思います。

では何が1番問題なのかというと、それは敵が持つ「ピストル」「ライフル」系が強すぎることです。

これらを使われると、どれだけ装備を整えても1発で体力の3分の1は削られるほか、ライフルならば2発ぐらいでダウンしてしまうと思います。

また撃たれれば当然、動きが止まりテンポの悪さに繋がってしまうので、自ずとストレスが溜まります。

そもそも本作は全てのモーションにおいてドッシリとした動きなので、私としてはこれ以上テンポを悪くさせる理由が見つかりませんでした。

粗っぽく、没入感がほとんどないストーリー

肝心のストーリーですが、そもそもストーリのボリュームがあまりなかったりキャラについての深掘りが少ないがために、没入して見れたことはほとんどなかったと思います。

詳しく言ってしまうと物語のネタバレになってしまうため、具体的には伝えれませんが、

例えば主人公アルノやヒロインの成長を描いているのに、成長後でも成長前の状態と全く同じ言動を描いているシーンには困惑しましたし、同時に「何のために成長シーンを用意したんだ」と不思議でした。

また、フランス革命を題材にして、ナポレオンやルイ16世を出すのはいいものの、別に歴史的人物でなくとも成立する場面がほとんどだったと思います。

ちなみにルイ16世が処刑される様子も再現されている。

何よりも私としては主人公アルノよりもヒロインであるエリスの性格だったり、人間性がとてつもなく嫌いで、終盤は少しだけ嫌悪感を覚えました。

というのも正直、私個人としては全クリ後にストーリーを振り返って見ると、”良いように男を使うエリス”と“その女のケツを追うアルノ“といった構図にしか見えなかったんですよね。(ネタバレしてもいいのなら全て伝えたかった)

このようにストーリーに没入できなかった理由はいくつかありますが、根本的に考えてみると、本作はキャラの深掘りが圧倒的に下手だったからこそ没入できなかったとも思います。

例えば、主人公アルノやエリスが持つ「目的」の違いは描くにも心情描写が足らなかったと思いますし、そもそも両者の目的の明確化がストーリー中であまりなかったような気がします。

また、歴史的人物や敵キャラ関係のサブクエは一切ありません(一部除く)。だから全クリ後で印象に残っているキャラといえばアルノとエリスしかいないんですよね。

せめて心情描写を増やしたり、ストーリーを長めにすれば評価も変わったかもしれません。

操作性が悪すぎる

パルクールの方向が上下決めれるようになったのは素晴らしい改善点なのですが、操作性はお世辞にも良いとはいえません。

顕著にそれを感じるのは「窓から外に行きたい時」だったと思います。私は窓から外へ行きたいのに、なぜか外へ行かず窓をスルーして壁を登っていくんです。

そして撃たれて死ぬこともしばしば…。敵から逃げる時など必死になっている状態では「え?え?」と動揺してしまうので、逃げ切れたことは本当に数少なく、むしろストレスが溜まることの方が多かったです。

まとめ

操作性に難があったり、難易度が高めになったり、何よりも肝心のストーリーに没入できなかった(私としては)。

しかしアサクリ史上最も素晴らしいクオリティーだと言える、パリの街並みやヴェルサイユ宮殿の作り込みにはとても驚きましたし、暗殺ゲームとして見るならばこれ以上ない出来だと思います。

発売当初はバグまみれなどと言われ炎上していた本作でしたが、今プレイしてみた結果としては“意外と楽しめた“。これが最終的な私の感想です。

フランス革命時代に興味のある方や、今はないノートルダム大聖堂を拝めたい方、おそらくアサクリの中で1番気持ちの良いパルクールをしたい方にはオススメな作品です。是非ともやってみてください。

それではここまで見ていただきありがとうございました。参考になれば幸いです。